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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群|熊本市東区佐土原の耳鼻咽喉科・アレルギー科|【さどわらクリニック 耳鼻咽喉科・アレルギー科】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)や呼吸が弱くなった状態(低呼吸)が連続、断続的に繰り返される病気です。このため十分な睡眠がとれず、日中の眠気、集中力や活力低下が生じ、居眠り運転で事故を起こしやすくなります。また健常人の中にも多く潜在しており、高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患や呼吸器疾患との関連性や合併が指摘されています。
40歳以上で習慣性のいびきがある人は高血圧合併の頻度が高いと報告されています。

定義

  • 無呼吸(Apnea):10秒以上の呼吸停止
  • 無呼吸指数(Apnea index):睡眠1時間あたりの無呼吸回数
  • 低呼吸(Hypopnea):気道狭小化のために換気量が少なくなった状態。換気の50%以上の低下に、酸素飽和度(SpO2)の3%以上の低下を伴うもの

一晩(7時間)の睡眠中に30回以上の無呼吸があるもの、または無呼吸指数が5以上のものを睡眠時無呼吸症候群と呼びます。実際の臨床では低呼吸も合わせた無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index; AHI)が用いられます。

重症度

  • 軽症:AHI 5以上15未満
  • 中等症:AHI 15以上30未満
  • 重症:AHI 30以上

症状

  • 大きないびき
  • 日中の眠気
  • 集中力の低下
  • 起床時の頭痛
  • 睡眠中の呼吸停止
  • 熟睡感の低下

合併症

高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、脳血管障害など

睡眠中に頻繁に起こる無呼吸によって酸素不足状態になり、脳が十分安静を保てないため日中の活動時と同様に交感神経が活性化します。これにより脈拍や血液駆出量が低下しないため、睡眠中は下がるはずの血圧が下がらず高いままとなります。またインスリン抵抗性が維持され、血糖値も下がりにくくなります。

診断

初診時診察
睡眠状態の評価を目的とした問診を行い、体型や顎の大きさの診察と鼻腔、口腔咽頭、喉頭領域をファイバー等で診察し、気導の狭窄の有無を確認します。
簡易スクリーニング検査
検査機器を貸し出しし、ご自宅で検査を行って頂きます。睡眠中の呼吸状態、いびき、SpO2、脈拍数、体位体動を測定します。解析結果よりAHI(無呼吸低呼吸指数)が40以上の場合、CPAP(持続陽圧呼吸)治療の保険適応対象となります。
精密検査
(終夜睡眠ポリグラフ検査)
簡易検査でAHIが20~40の場合、同様ご自宅もしくは検査対応病院に1泊入院して行います。上記の検査項目に加え、脳波を測定します。AHIが20以上でCPAP治療の保険適応となります。

治療

1.マウスピースによる治療

中等症であればマウスピースのような歯科器具が適応になる場合もあります。

2.CPAP(持続陽圧呼吸)療法

持続陽圧により、上気道の開存を確保することにより治療します。
治療機器はレンタルとなりますが、治療経過のチェックと効果判定のため、定期的に当院受診が必要となります。
継続使用による治療が原則ですが、諸事情で継続が困難な場合はご相談ください。
また肥満のある方には運動療法や食事療法をCPAPと併用して行うと早期改善が期待できます。

※原理(TEIJINパンフレットより引用)
閉鎖部位
閉塞型睡眠時無呼吸症候群は軟口蓋や舌根部沈下により気道が閉塞し、無呼吸が発生します。
閉鎖を防ぐ
CPAPはマスクを介して一定陽圧の空気を送り込み、上気道を広げた状態に維持し、開存を補助します。