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みみの病気

みみの病気|熊本市東区佐土原の耳鼻咽喉科・アレルギー科|【さどわらクリニック 耳鼻咽喉科・アレルギー科】

みみの症状

  • 耳が痛い
  • 耳がかゆい
  • 聞こえが悪い
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 耳が詰まった感じがする
  • 耳だれがある
  • 自分の声が響く感じがする
  • 耳が遠くなった気がする
  • 突然、片方の耳が聞こえなくなった

このような症状の方はお気軽にご相談ください。

みみの主な疾患

中耳炎

中耳炎は、鼓膜から奥の部分(中耳)に炎症が起こる病気です。中耳炎には、痛みや熱を伴う「急性中耳炎」、中耳腔に水が溜まる「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」、これらの中耳炎が進行し、鼓膜に穴があいてしまう「慢性中耳炎」のほか、周囲の骨を溶かす「真珠腫性中耳炎」、飛行機に乗って起こる「航空性中耳炎」といった種類があります。

最も頻度の高い急性中耳炎は、鼻の細菌やウイルスが、鼻の奥から中耳につながる耳管を通って中耳に入ることで起こります。鼻から耳管を経由して起こりますので、鼓膜に穴があいていなければ、耳に水が入って中耳炎になるということはありません。

比較的子どもに多くみられますが、その原因として

1.耳管の構造

子どもは耳管が未発達で、太く短く角度も水平に近いため、菌などが中耳に侵入しやすい状態にあります。このため、子どもはかぜをひいたときにとくに中耳炎にかかりやすいといわれています。

2.集団保育・鼻を十分かめない

子どもはうまく鼻をかめず、すすってしまうことが多いため、鼻水が奥にたまり中耳炎を起こしやすくなります。保育園や幼稚園などで集団生活をしている子どもたちはかぜや鼻副鼻腔炎等の感染症にかかる機会が多く、さらにその感染の反復が多くみられます。

症状としては、鼻水やのどの痛みなどの症状に続いて、強い耳の痛みや発熱、耳だれ、耳がつまった感じ、聞こえにくさなどが生じます。うまく痛みを伝えられない乳児は、機嫌が悪くなってぐずったり、頻繁に耳に手を当てたりするなどのサインがみられます。急性中耳炎は治らないまま治療を終えたり、繰り返し発症したりすると、慢性中耳炎などに移行し鼓膜に穴があく、難聴などの後遺症が出る恐れもあります。早期発見、再発防止を心がけ、耳鼻咽喉科でしっかりきちんと治しましょう。

耳管は、耳の中と外の気圧を均等に調節する働きがあります。しかしかぜ等の影響で耳管の機能に問題が出て気圧の調整が難しくなることがあります。これが持続し中耳腔にしみ出た水が溜まる状態を「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」と呼んでいます。

痛み、発熱などは伴わず、耳がつまった感じ、聞こえにくい、周囲の音や自分の声が響くといった症状が起こります。

外耳炎

外耳炎とは 鼓膜より外側の外耳道(耳の穴から鼓膜までの筒状構造)に炎症が起こっている状態です。耳かきによる傷、引っかき傷などからの細菌の侵入が原因で発症します。頻繁に耳掃除をする、傷がある状態でプールを利用したり、長時間イヤホンを使用することで細菌の侵入を招きやすくなります。耳の痛みやかゆみ、耳垂れ、耳がつまった感じ、聞こえにくいといった症状が起こります。

頻繁に耳掃除をしない(月1〜2回程度)、強くこすらないことが大切です。

耳垢(耳あか)

皮膚の表面は体のどの場所でも常に代謝が行われていて新しい皮膚が作られています。外耳道でも同様に新しい皮膚が作られ、皮膚の一番外側の層がはがれてきます。このはがれてきたものを落屑上皮(らくせつじょうひ)といいます。それらに耳垢腺(じこうせん)から出た分泌物や、外耳道の毛、ほこりなどが混じったものが耳垢です。

外耳道の外側3分の1を軟骨部といい、毛嚢(もうのう)、皮脂腺(ひしせん)や耳垢腺(じこうせん)があります。したがって耳垢ができるのは外耳道の外側3分の1です。

人によって耳垢には湿ったもの(湿性耳垢)と乾いたもの(乾性耳垢)があります。日本人は約70%が乾性、約30%が湿性といわれています。粘性の耳垢の方、お子様やご高齢の方など耳垢が詰まりやすい方は、難聴の原因となりますので、約3〜4か月に1回のペースで受診していただくことをお勧めします。

難聴

人は音源から生じた空気の振動を感じて音を認識し、音により生じた鼓膜の振動は、鼓膜の奥の小さな骨(耳小骨)を伝わり内耳に到達します。内耳では振動を電気信号に変換し、聴神経を伝わり脳へ到達して音として認識されます。難聴はこの行程が障害されることで起こります。音の振動がうまく内耳まで伝わらないことで生じる難聴を伝音難聴、内耳が障害されてうまく伝達できなかったりすることで生じる難聴を感音難聴、聴神経に異常がある場合は後迷路性難聴といいます。
伝音難聴を生じる疾患には鼓膜穿孔や中耳炎、耳小骨異常などがあり、感音難聴には突発性難聴や内耳炎、加齢性難聴、聴神経腫瘍などがあります。

突発性難聴

一側性の急性感音難聴(突発難聴)のうち、原因がはっきりわからないものを突発性難聴といいます。耳の中(内耳)の血流障害やウイルス感染が考えられていますが確定できるものはありません。
特徴のある症状として、片方の耳の突然の難聴と同側に耳鳴と耳閉感が起こることが多くみられます。30~40%にめまいが合併します。
この疾患はできるだけ早く治療を始めることが非常に重要です。発症後1~2ヶ月間に治療を行えば、程度の差はありますが聴力改善が期待できます。しかしそれ以降は回復が難しくなります。治療は薬物療法が主となります。これに高圧酸素療法等を併用することもあります。難聴の程度やめまいの合併によっては、十分な安静やストレス、不必要な音のブロックのため入院加療を行うことがあります。主たる薬物療法で不可欠なものがステロイド剤です。外来で通院治療を行う場合は内服を、入院治療を行う場合は点滴を処方投与しますが、近年は糖尿病などの合併症等のためにステロイドの内服点滴投与が難しい方々を対象に、鼓室(中耳)内注入による投与も行われています。

関連リンク:厚生労働省 eヘルスネット 突発性難聴

急性低音障害型感音難聴

若年~中年の女性に多く、突発性難聴と同様、片側の耳閉感や耳鳴などが症状となります。症状が強くなるとめまいなどを伴うこともあり、今までは突発性難聴やめまいを伴わない蝸牛型メニエール病と言われたケースも含まれていたと考えられます。詳細な診断基準が厚生労働省より2017年に改訂され公表されています。
突発性難聴と比較すると、聴力検査で低音部(500Hz以下)のみの低下を認めていて、軽度であればステロイド剤を使わずに改善することもあります。
一般的にはステロイド剤や利尿薬、循環改善薬の内服で治療をします。約30%程度は再発を繰り返すと言われています。

メニエール病

突発性難聴と同様、一側性の急性感音難聴が起こりますが、他に激しい回転性めまいや患側の耳鳴や耳閉感を発作的に繰り返す、症状に波があるのが特徴です。元ジャニーズアイドルの今井翼さんが発症されたことで広く知られるようになりました。
「内リンパ水腫」といわれる、リンパ液が過剰になることによる内耳(特に蝸牛)のむくみ、水ぶくれのため起こるとされていますが(イラスト)、詳細な原因ははっきり判っていません。この程度が増強すると急性期症状も強くなります。症状は波がありますが長い経過の重症例では、徐々に聴力や平衡感覚が落ちたままになることもあります。
治療は症状発作のとき(急性期)とそれが落ち着いているとき(寛解期)で異なります。急性期症状は回転性めまいや嘔気・嘔吐が強く出ることがありますので、対症療法のために入院点滴が必要になる場合があります。寛解期は内リンパ水腫を抑えるための治療になり、利尿剤や水代謝を促す漢方薬等を使用します。個人差がありますが長期治療が必要になることもあります。
近年中耳加圧療法という新しい治療法が登場しました。耳の穴から圧力をかけた空気の振動波を耳に入れる方法です。これは従来から他の病気で使われてきた鼓膜マッサージをメニエール病の治療に応用したものです。※当院では行っていない治療法になります。

良性発作性頭位めまい症

耳が原因で起こるめまいの中で最も多くを占める病気です。全体の20~40%を占めます。
朝起き上がる時、寝返りをうった時、起き上がって少ししてぐるぐる目が回って立っていられず、数分間待っていたら症状が良くなったが、また同じ動きを繰り返すと目が回るというのが典型的な症状です。前庭内にある耳石が剥がれて三半規管の中に入り込んでコロコロと動き回ったり、三半規管の根元の膨大部内にある、クプラというイソギンチャク様の部分にくっついたりすると刺激が増強されめまいが発症します(イラスト)。しかし三半規管から耳石が出てしまうかなくなってしまえば症状は改善、消失します。難聴や耳鳴、耳閉感を伴わないのも特徴です。
眼振検査を行い、頭や体の位置を変化させることで特有の眼振(眼球の揺れ)が起こるかを確認して診断します。
治療は急性期はめまい止めや吐き気止めを使って治療を行いますが、最も避けるべきことはめまいが激しい、吐き気が強いもしくは実際吐いてしまうと「安静にしないといけない」と考えて長時間寝たきりになることです。短時間ずつでも積極的に頭や体を動かす(日常の生活の動きで可です)ほうが症状は徐々にですが減弱していきます。
薬物治療以外に理学療法や自宅でもできる体操のリハビリが行われます。上述した剥がれた耳石を三半規管から出そうとする治療方法です。

起立性調節障害

交感神経、副交感神経の自律神経の機能が障害されることで、循環機能障害(特に脳への血流低下)を呈し、ふらつき、立ちくらみなどが生じる疾患です。思春期や高血圧治療中の方に比較的多く、また男性よりも女性に多い傾向があります。
症状はふらつきや立ちくらみのことが多く、回転性めまいはあまりみられません。他には朝起きるのが辛い、頭痛、嘔気、倦怠感があります。原因はストレス、睡眠不足、水分の摂取不足などが挙げられますが、高血圧治療も影響することがあります。
問診、一般的な聴力検査やめまい、ふらつきの検査、起立試験(シェロングテスト)などから診断を行います。
治療としては生活習慣の改善や血圧のコントロールが主となりますが、漢方薬が効果を認める場合もあります。

耳管機能障害(開放症・狭窄症)

鼻、咽頭と中耳は耳管という管でつながっています。耳管には耳の中の圧力を調整する機能があり、耳管は普段はほぼ塞がっていて、唾をゴクッと飲み込んだり、あくびをしたときだけ瞬間的に開き、すぐにまた閉じます。この管が常につまった状態になるのが耳管狭窄症、開きっぱなしになった状態を耳管開放症です。いずれも自分の声が響いて聞こえる、耳の詰まり感、耳鳴りなどの症状が現れます。

耳管狭窄症はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などが原因であることが多く、加齢による耳管機能の低下で起こることもあります。一方、耳管開放症は体重の減少や顎関節症、妊娠、ストレスなどで発症する場合があります。