1.マウスピースによる治療
中等症であればマウスピースのような歯科器具が適応になる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)や呼吸が弱くなった状態(低呼吸)が連続、断続的に繰り返される病気です。このため十分な睡眠がとれず、日中の眠気、集中力や活力低下が生じ、居眠り運転で事故を起こしやすくなります。また健常人の中にも多く潜在しており、高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患や呼吸器疾患との関連性や合併が指摘されています。
40歳以上で習慣性のいびきがある人は高血圧合併の頻度が高いと報告されています。
一晩(7時間)の睡眠中に30回以上の無呼吸があるもの、または無呼吸指数が5以上のものを睡眠時無呼吸症候群と呼びます。実際の臨床では低呼吸も合わせた無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index; AHI)が用いられます。
高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、脳血管障害など
睡眠中に頻繁に起こる無呼吸によって酸素不足状態になり、脳が十分安静を保てないため日中の活動時と同様に交感神経が活性化します。これにより脈拍や血液駆出量が低下しないため、睡眠中は下がるはずの血圧が下がらず高いままとなります。またインスリン抵抗性が維持され、血糖値も下がりにくくなります。
中等症であればマウスピースのような歯科器具が適応になる場合もあります。
持続陽圧により、上気道の開存を確保することにより治療します。
治療機器はレンタルとなりますが、治療経過のチェックと効果判定のため、定期的に当院受診が必要となります。
継続使用による治療が原則ですが、諸事情で継続が困難な場合はご相談ください。
また肥満のある方には運動療法や食事療法をCPAPと併用して行うと早期改善が期待できます。